COLUMN

音楽編2019.08.15

工場で音楽やBGMは必要?その効果を実証

「作業中の工場で音楽をかけること」の是非が話題に上ることがあります。

否定派の意見として主なものは「音楽を聞いていると、気が散って作業に集中できず生産性が落ちる」というもの。しかし、それは本当なのでしょうか?

 

■BGMは元々、工場のためのものだった!

「仕事場で音楽をかける」というスタイルを確立させたのは、1930年代にアメリカで創業した「ミューザック(Muzak)」という企業です。既に廃業した現在でも「ミューザック」という会社名が、米国ではそのままBGMを意味するほど一般的な存在でありました。

そして、この会社がBGMを普及させるために盛んにアピールしていたのが、「BGMを流すことで工場の生産力が上がる」という売り文句でした。

つまり、そもそもBGMは「工場の作業中に流すために誕生した」側面が濃厚なのです。

 

■様々な科学的調査に裏付けられたBGMの効果

もちろん同社は、何の根拠も無しに「工場での生産力が上がる」と謳っていたのではありません。

スティーブンス工科大学が行った、「職場に音楽を流すことで欠勤が88%、早退も53%減少した」などを始めとした様々な論文を元に、社内でも独自研究を推進することで、実際に効果を上げていたのです。

また、当時のイギリスにおいても音楽と工場労働の関係性は注目されており、英国産業衛生調査局による「工場で音楽を流すことで生産性が6~11%上昇した」との研究が報告されています。

この結果、BBC(英国放送協会)が「Music While You Work(労働者のための音楽)」というプログラムを放送開始。なんと全英90%もの工場で流れていたというこの番組を聞きながら作業をすることで、実際に「集中力が高まり、事故が減少した」との効果が認められました。

 

■日本の工場でも効果を上げたBGM

上記のような世界的潮流もあり、日本において最初に労働環境でのBGMを本格的に導入したのも、やはり工場でした。

それは「ナショナル(現・パナソニック)」のレジスター組み立てを行っていた大阪と大磯の工場で、1958年のこと。3000坪の敷地に150個のスピーカーを設置し、BGMサービスが開始されました。

ちなみにラジオではなくてBGMが選ばれたのは、「アナウンサーのお喋りが入るため、注意力が散漫になる」ことが懸念されたからです。

そして3年後の調査の結果、97%の従業員がサービスの継続を希望し、ストレスで診療所に訪れる職員が3割減少したそうです。

この流れに続くように、「ポーラ化粧品静岡工場」「東芝深川工場」「ソニー厚木工場」などで、BGMを導入する事例が続発。いずれの工場でも、「仕事が楽しくなった」「時間が過ぎるのが早くなった」「病欠や欠席が減った」「怪我が少なくなった」などの声が聞かれ、好評を持って受け入れられました。

 

■まとめ

以上のように、歴史的にも実績からも「作業中の工場で音楽をかけること」の有効性は認められています。

そして、今回例として挙げた工場でのBGM導入初期よりも、現在のリスニング環境は飛躍的に向上しています。この機会に、工場でのBGMの導入を検討されてみては如何でしょうか。

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