音楽編2019.09.30
近代的なBGMは1930年代のアメリカに始まります。
しかし、「何かをしている時に、背景で流れている音楽」という観点でみると、その歴史はさらに遡ることができます。
そこで今回は、BGMの歴史を辿りご紹介します。
BGMが人類の記録の最初に現れるのは、いまを遡ること4千年前、紀元前2000年の古代エジプトです。使われたのは、意外にも「出産」の時。産屋で音楽を演奏することで、妊婦の陣痛の苦しみを、少しでも紛らわせるのが目的だったのです。
エジプト文明では、儀式や祭りの時などに、盛んに音楽の演奏が行われていました。ピラミッドからもハープやリラ、葦の縦笛などが発見されており、出産時のBGMにもこれらの楽器が使われていたと想像されます。
なお、古代中国やインド、ギリシアなどでも、同じく「鎮痛剤」として音楽を利用した例があるそうです。
戦場でも音楽は盛んに用いられていました。古代ギリシアに始まる「軍楽隊」の勇壮な音楽は、突撃時に味方兵士の士気を鼓舞し、敵の戦意をくじく効果を期待して演奏された「戦場のBGM」と言えましょう。
少し時代を下った、18世紀のオスマン帝国の軍楽は当時非常に有名で、これに影響を受けて作曲されたのが、有名なモーツァルトの「トルコ行進曲」です。
そして、いわゆる「宮廷音楽」もBGMの歴史からは外せません。
洋の東西を問わず、王侯貴族などの上流階級が集まる宴会やパーティーでは、楽団の演奏が華を添えていました。
例えば、中国の唐・宋の時代には、「燕楽」と呼ばれる音楽が宴会を彩りましたし、中世ヨーロッパの作曲家の多くは、貴族に仕えて好みの曲を作り、それを自ら演奏していました(著名なハイドンやバッハなども、宮廷楽団に勤めていました)。
また、富裕層が集まる社交場でも、楽団の演奏がムードを作るのに一役買っていました。豪華客船タイタニック号が沈没する際、客のパニックを抑えるために、最後まで演奏を続けた楽団のエピソードなども有名ですね。
前近代までのBGMに共通しているのは、「演奏家がその場にいないと聞くことが出来ない」点です。だから必然的に、BGMは上流階級や富裕層しか楽しめない、庶民にとって高嶺の花的存在でした。
その状況を打破したのが、エジソンによる「録音・再生」機器の発明。これが音楽の大衆化・一般化を促し、冒頭に挙げた近代的BGMの登場に繋がるのです。
その後の音響技術の革新、さらにネットやデジタル技術の発展で、ご存知の通り今ではいつでも誰でも、多種多様な音楽を楽しめる時代になっています。
かつての王侯貴族以上の音楽環境に身を置いている現在、ぜひ職場のコミュニケーションの改善やモチベーション向上にも効果がある、オフィスBGMの導入を検討されてはいかがでしょうか!
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